虫の息

おれは陽気なカブトムシ

部屋とガンプラと私

小学校2年生から約20年間、定期的にガンプラを作っている。

 

もとはジュウレンジャーカクレンジャーなどの動物系ロボットが好きで、最初はゾイドにハマった。何を思ったか塗装しようとしたことがあり、大工だったじいちゃんのペンキを借りてベージュ色のクソダサプテラスを作った。しかし残念ながら分厚い木材用の塗料だったので、ゼンマイを回してもギチギチと震えるだけの障害者プテラスとなった。

 

主なきっかけは旅行先で買ったSD武者頑駄無だったと思う。なぜ伊豆の旅行でプラモデルを買ったのかはわからないが、やたらと変形するナタクだったことは憶えている。ガンダム自体はリアルタイムでGガンがやっていたから知っていたが、武闘伝ではない本流のガンダムのことは知らなかった。

 

ガンダムってなんだろう?というそれだけの理由で、後におれが万引きのしすぎで潰れることとなった模型屋に行くと、所狭しと色んなプラモデルが積んであった。通路以外は全てプラモデル、レジ前には塗料という昔ながらの模型屋だった。

 

とりあえずガンダムナタクを探してみた。それっぽいやつがありすぎてわからなかったが、見た目が近いやつを見つけた。

「アルトロンガンダムカスタム」…

名前は違うが武者哪吒とほぼ同じデザインだった。しかしおれが好きなのは武者哪吒であり、コレジャナイ感がすごかった。

 

一通り眺めていると、やたらとガトリング砲がついていたり顔が半分ピエロのこじらせた機体があった。これだなと思い、ヘビーアームズカスタムを購入した。シールを貼ったりカッターでバリを取るのはメダロットミニ四駆のおかげでそれほど苦ではなかった。順調に組み上げてポージングをしようとした瞬間に膝からヘビーアームズが崩れ落ち、うまく作らないとこういうものか程度にしか思わなかったが、よく見ると足の関節が片方逆に曲がっていた。

 

ADHDである。子供だからこうなったと思うなかれ。おとといからHGUCF91を組んでいるが、足のPCパーツを逆に入れてしまいペンチで無理やりこじ開けた。もうじき30歳になるのにこれなので、小学生からなにも変わっていない。

 

それからすっかりプラモデルに魅了され、墨入れやヤスリ掛け程度ならやるようになった。ガンダムというもの自体はよく知らなかったが、従兄弟にもらったスパロボα外伝のおかげで深く掘り下げることができた。エンドレスワルツも登場してたし。

 

手先は器用な方だと思っていたが、プラモデルは全く上達しない。いくら塗り方を見ても真似できない。ガンダム系の目はずっとシールだし、目消しだってヤスってパテ埋めなんてワザはできない。

 

子供が生まれてからもずっとプラモデルを作り続けてきたが、この前F91を作ってほしいと初めてお願いされた。面倒くさいなと思いつつ、小学生のときに作ったF91が旧式のキットで何もしないままお蔵入りしたという記憶があるので、今回は頑張ってやろうと思い作ることにした。

 

幼いころからヘタクソなりに作ってきたおかげで我が子がロボットを好きになってくれたのは嬉しい。ワクワクしている様子の子供を見ていたら、無邪気なころの自分もこういう顔をしていたのかなと少し感傷に浸ってしまった。