虫の息

おれは陽気なカブトムシ

引き継ぎたいおれ vs 引き継がない会社 vs ダークライ

社宅への引っ越しが決まり、いよいよ退職する12月が目前に迫ってきた。

 

今年8月に、仕事を辞める旨を上に通した。所属長や他の管理職はかなり渋っているようだったが、代表はわりとあっさり12月末退職&賞与支給まで許可してくれた。

 

さて、11月現在おれの引継ぎ先が決まらず、退職することを他の職員に周知する気もないらしい。自分がやるべき仕事をおれに押し付けている所属長、どう考えてもおれしか触れていない経理関係の業務をどうするのか知ったことではないが、そう不安に思ってしまうのはおれの低俗な心の中にあるせめてもの優しさである。

 

東北へ来て8年、うち6年半を過ごしたこの会社には、拾ってくれた恩や様々な福利厚生を受けた感謝がないわけではない。だからこそ、このまま引継ぎ先もなく12月を迎えてしまうと、他の職員から「この仕事はどうするんだ」「お前しか知らないことがたくさんあるんじゃないか」「無責任だ」という非難の声が聞こえてきそうでならない。

 

一生懸命引継ぎ資料も作った。人に教えることが好きなので、10月あたりから引継ぎができるのではないかと期待していたのだが、退職1か月前になっても後釜が現れないことから、12月中旬あたりから詰め込みでやらされることが予想される。これはバッドエンドである。

 

転職先には「きれいに辞めてきてね」と念を押されている。田舎企業同士は悪い意味で世間が狭いのだろうと思う。給与面が良いこと以外は転職先に何一つ魅力を感じない。ただおれは社長に恩を返し、家族に少しでも良い暮らしを与えたいと、ただそれだけのために働くわけであり、この理念が~企業方針が~なんてものは一切無い。

人間が生きるために立ちふさがる真の敵は、集団社会に適合しようと深層心理下で機能する、この脳味噌なのではなかろうか。